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ファミリービジネスプロジェクトについて聞きました

ファミリービジネスプロジェクトは、NPO法人ファミリー・ビジネス・ネットワーク・ジャパンと協同して、様々な老舗企業を訪問し、経営や地域とのつながりについてケース教材を作る活動をしています。老舗企業の歴史においては、事業承継など特徴的なテーマが関連することも多く、事例の教材化を通してより広い応用を目指しています。
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日吉キャンパスで行われた、ファミリービジネス学会の運営をお手伝い

大岡
今回は、ファミリービジネスプロジェクト(以下・FBプロジェクト)、リーダーの足立真優子さんにインタビューさせていただきます。
ファミリービジネスというのは、家族経営されている企業さんのことですよね?

足立
はい、ファミリービジネスとは、ファミリーが代々所有権(株式)を握っている企業のことを指します。日本は世界でもトップクラスのファミリービジネス大国であり、日本企業の約95%がファミリービジネス企業に該当すると言われています。中でも、創業から100年以上続く老舗企業は、約2万社におよびます。

ファミリービジネス

横浜・崎陽軒にて取材

大岡
そんなに多いのですね。飯盛研といえば地域、のイメージが強いですよね。どうしてFBプロジェクトだったのでしょう?まゆこさん自身はFBの出身でしたっけ。

足立
飯盛研究会のFBプロジェクトは、「ファミリービジネスが地域資源になる!」という考えを持って研究活動をしています。ファミリービジネス企業の多くは、代々一つの土地で歴史を刻んでおり、その地域との関係性は、切っても切り離せないものとなっています。企業が地元地域を世の中に発信し、地元地域が企業を影から支える。地域を中心とした人の輪を生み出すことのできるファミリービジネス企業の存在はまさに、まちづくりの大事な資源だと考えています。
私は、そんなファミリービジネス企業を中心とするまちづくりに興味を持ったので、このプロジェクトに入りました。単純に、企業の社長さんや専務さんとお話しができる、滅多にない経験をしたかったというのも理由の一つです。私の家はファミリービジネスではありません。だからこそ、ファミリーのお話を伺うのはすごく新鮮で毎回学びがあります。
毎回多くの学びがあるからこそ、すごく面白くて、ファミリービジネスの研究はクセになります。

大岡
私も、家を継ぐ感覚や親が上司といった関係性はわからないので、とても興味深いなと思います。今までの取材で印象に残っている企業さんはありますか?

足立
これまでに4つの企業に取材でお伺いしました。どこも印象に残った場面が多くあり、正直一番は選べません。どの企業の社長様、専務様も皆様優しく対応してくださって、なんて私達は恵まれているのだろうと毎度感じます。

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焼津・マルハ村松にて取材

大岡
本当に。大学生の私たちにも同じ目線で話してくださる方ばかりですよね。
1つの地域に留まらないのが、FBプロジェクトの特徴だと思うのですが、1つの企業や地域に密着したいなと思ったりしますか?

足立
可能であるならば、いつか密着取材もしてみたいですね。それも一週間とか短い期間ではなく、本当に年単位で密着させていただいて、時の移り変わりとともに変化する地域と企業の関係を調査したり出来たらすごく面白い研究になると思います。

大岡
最後に一言お願いします!

足立
FBプロジェクトでの活動は、毎回新しい発見に出会うことができ、研究としても決して飽きることがない分野だと思います。その日初めて会う人の家族の話を聴く機会なんてファミリービジネスの研究活動でなければ滅多にないですよね?自分自身の家族のイメージだけで作られていた「家族の在り方」が、このプロジェクトの活動を通して少しずつ変わってきたように思います。
FBプロジェクトの活動で出会った全てのご縁を大切に、これからも研究活動や日々の生活を楽しんでいきたいと思っています。

大岡
ありがとうございました!

筆者のまとめ

先日もプロジェクトメンバーで、ファミリービジネス学会のお手伝いをさせていただいたのですが、たくさんの方が来ていて関心の高さが伺えました。普段はなかなか接することのない大人の方々とお話しできるのが、このプロジェクトの醍醐味だなと感じます。
インタビューを通して、地域と企業の結びつきについて、もっと調べていきたいと思いました。これからも学生の視点を大切に、活動していきたいです。

ファミリービジネスプロジェクトのウェブサイトはこちらから

written by 大岡彩也花