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木口恒

木口さん、今の飯盛研はどうですか?(前編)

飯盛研卒業生の木口さんは、現在もSFC研究所員として飯盛研に関わって下さっています。現役生にとっては人生の先輩、お兄さんのような存在。そんな木口さんは、飯盛研をどのように見つめていらっしゃるのでしょうか。

石川
飯盛研OBとして、今の飯盛研に対する印象はどのようにお持ちですか?

木口
2011年卒なので、卒業して7年です。早いですね。私が在籍していたときは研究会のメンバーはそれぞれ仲良かったけれど、今ほどだったっけ?と思います。ここまで和気あいあいとしてた?みたいな。
あと考え方が真面目な人が多い印象を受けます。なんでだろう、と考えてみましたが、明確な答えは見つからなくて、そういう時代なのかなと個人的に思っています。石橋を叩いて渡らないと人生暗くなるというか(笑)。
今のメンバーに対しては、もう少し動くのもいいんじゃないかな、と思うんですよね。そういう点では、SFCらしさが減っているのかもしれない。私が学部だったころは、あれこれ言う前に行動する人が多かった気がするんですよ。いきなりお金もなんのツテもないのに起業する人とかいて。最近はあんまり聞かないでしょう?

石川
そうですね、あまり聞かないですね…。

木口
そういう点では少し寂しい。ただ、真面目なことはいいことなので、どんどん活かしてほしいなと思います。社会に出たら真面目な人の方が勝ちますから(笑)。

石川
そうですか?

木口
絶対そう!不真面目に生きている人で、うまくいっている人なんていないですよ。立ち回りが上手い人はいっぱいいるし、そういう人が闊歩してるけど、最終的には真面目さが勝つと思います。適当にやってうまくいく、なんていうことはないです。そんな世の中甘くないですよ(笑)。

石川
木口さんのいう「真面目」とはどういうことですか?

木口恒

木口
物事を真剣に考えるか否かだと思います。テキトーじゃないというか。そういう点で最近の飯盛研は物事をしっかり考える人が、全員がそうとは言いませんが(笑)、多い傾向にあるかなと。それが行動力と裏表というか、行動力が減っているっていう言い方もできるかなぁ。真面目な分、慎重になっているのかもしれないよね。こういう世の中だから、後先考えず起業してお金がなくなって、というのは本当に怖い。だから慎重さも大切にして、もう少しだけ大胆にいてほしい。要はバランスですよね。いきなり大胆になることは無理ですし無謀ともいえます。

石川
木口さんがSFC在籍中に研究していたことは何ですか?

木口
私は今やっていることと変わらないです。AO入試で書いた志望理由書をそのままなぞっている感じ。
飯盛研に学部3年のときから入ったんですが、その時飯盛研の状況がもったいないなと感じたんです。「研究やプロジェクト活動など色々やっているのに、何で社会にアピールしないんだろう」「それを社会にアピールしたら、知ってくれる人が増えるのに、何でアピールしないんだろう」と思っていたんですよね。私たちはこういうことしているんですよ、っていう情報をあらかじめ見せる方が、地方の方とか、いわゆるステークホルダーの方々に活動が分かりやすくなる。伝える環境を整えるべきだろうと思って。

石川
飯盛研には入学当初から入るつもりだったんですか?

木口
もともと入ったきっかけは、学部2年のときに飯盛先生の「まちづくり論」という授業なんです。伝える環境とか、デザインとかを活かしてほしいということを地方自治体にも思っていて、その内容のレポートを書きました。そうしたら、最終日に学生の前で発表させてもらうことになって。それをきっかけに飯盛研に入りました。それを研究しようと思って入ったら、飯盛研自体がその課題を抱えていたように思えて、様々なプロジェクトをやっているのにウェブサイトはあまり機能していないし、「何でだろう、もったいないなぁ」と。
そこで飯盛先生に「ウェブサイト新しく作らせてください」とお願いをして、もともとあっものを新しくして、他にも飯盛研の活動状況をアピールするプロジェクトを、私と他4名の学生でやっていました。だから、今やっていることと変わりありませんね。今回飯盛研のウェブサイト新しくしたのも私だし、なーんにも成長してない(笑)。

石川
木口さんの活動は、現役時代のメンバーにどういう反響がありましたか?

飯盛研のロゴ

木口
嬉しかったのは、「箔がついた」と言われたことです。今まで名刺やロゴもなくて、地域で活動するだけだったのが、「飯盛研はこういうところです」と先方にお伝えして、わかった上で現地入りすると、活動しやすくなる、と学生にも地元の人に言われました。「ほら、いった通りじゃん!」って(笑)。
もったいなさを減らしつつ、活動しやすくするということがビジョンだったので、何とかして実現しようと現役時代はやっていました。卒業するときは、ロゴやサイトがあって当たり前と思ってもらえるようになったので、満足していましたね。予め自分たちの活動を発信していないと、いちいち先方に説明しなくてはならないわけで。見せることと説明することは理解の度合いが違います。見せることは大事です。

石川
木口さんの中で、どういうモチベーションがあってそのような活動をしていらっしゃったのですか?

木口
やっぱり、好きだったからじゃないですか。ロゴとかデザインとか好きで。今は仕事としてやっていますが、前もって実際に飯盛研でやってみて、思った通りの感触でいい反応をいただけましたし、実際仕事にするなら、こういうこと気をつけるべきだな、とか考えることができましたね。それは飯盛研に入ったからこそできたことで、実際にあちこちに出て、反応を聞けることはフィールドワークの強み。ロゴなどモノとして見えると、反応も返ってきやすいですし。それが今でもモチベーションになっています。飯盛研だけに限らず、仕事で作らせてもらったものが社会にでて、使われている様子をみると本当に嬉しいですよ。

まとめ

後半は、木口さんが現在されている仕事についてお伺いします。

written by 石川 瞳