この度は、さんぽみちプロジェクトホームページへのアクセス誠にありがとうございます。私ども、慶應義塾大学飯盛義徳研究室が実施するさんぽみちプロジェクトについて詳しくご説明いたします。

 さんぽみちプロジェクトとは、地域情報化、中心市街地活性化の研究を主としたもので、行政や地域メディア、都市交通等との協働プロジェクトです。主にメディア媒体を活動のフィールドとし、市民の皆様に街の変化について考えていただくきっかけを作りたいと考えています。
 主催は私ども慶應義塾大学飯盛義徳研究室で、後援として和歌山市、特別協賛として和歌山バス株式会社、協賛として株式会社和歌山新報社、エフエム和歌山とコラボレーションしています。

さんぽみちロゴ

 当プロジェクトのプロジェクトリーダー(制作統括者)で発起人の次田尚弘は和歌山市吹上地区の出身です。和歌山市は和歌山県北部に位置し、大阪難波・天王寺から電車で約1時間、東京から飛行機で約3時間の中核都市です。2009年市政120年を迎えました。大阪や東京方面へのアクセスの良さに引き換え大学が少ないこと、中心地の地価が高価であることが要因で、市外への人口流出とドーナツ化現象が起き、中心市街地の衰退が顕著に現れています。次田も大学進学に伴い上京しました。上京後初めて帰省した際、東京にあって和歌山にないもの、和歌山にあって東京にないものが手に取るように感じることができました。いわゆる「よそ者」の視点というのでしょうか。見慣れた景色がとても新鮮に感じたのです。和歌山市の良いところにも気づきますしもちろん悪いところにも目がとまります。久しく故郷を見た感動を市民の方々にも感じて欲しい、そこで気づいた良い点をさらに伸ばし、欠点を解決することができれば、和歌山市はもっと魅力的な街になるのにと思いました。
 私たち大学生にとってできることは何でしょうか。大学で研究をする期間は限られていますから継続したコミットメントが難しいことは事実です。また、一大学生が教授のような専門性を持って政策提言を行うことも現実的ではありません。特に私ども慶大は東京に位置するため研究資金が豊富に無い限り頻繁な活動が難しいのが現状です。その中で、私どもにもできる、そして私どもにしかできないであろう活動を模索したところ、「市民の方々に気づきを持ってもらう契機をつくろう」という結論に至りました。具体的に申し上げますと、市民の方々の目に容易に触れることができ、かつ私どもの主観や偏った考えが入ることのない、一律な事実を伝えることができるメディア媒体の制作者としてコミットメントしようと考えました。幸い、私どもは湘南藤沢キャンパス(通称:SFC)に研究室があるため、情報学や社会学を学ぶ学生(主に、環境情報学部生)や法学・政治学を学ぶ(主に、総合政策学部生)が、学部の垣根無く当研究室に所属しています。各々の学生が得意とする分野・領域を活かしながらアプローチして参ります。

慶應大学SFC

 地域メディアとは、地方を拠点とするテレビ局、ラジオ局、新聞社のようなマス・メディアを私どもは指しています。
 今回、私どもは映像・ラジオ脚本・新聞記事の一切を制作しています。それらを公開可能な形とし、市民の方々に視聴していただけるよう配給する際に、各地域メディアにご協力いただいております。なお、ラジオ放送、新聞記事においては和歌山市に本社を置く企業様にスポンサーとなっていただき、番組および記事枠をご提供いただいております。この場をお借りし心から御礼申し上げます。
 なお、配給をお願いする地域メディア(エフエム和歌山、株式会社和歌山新報社)は当プロジェクトの協賛企業となっております。

 都市交通とは、地方に限らず各地域で電車、バス、船舶等の公共交通機関を私どもは指しています。今回、和歌山市が規定した中心市街地にフォーカスを当てるに際し、街を客観的に細分化する必要がありました。そこで、和歌山市と周辺地域で路線バス事業を行う、南海電鉄グループ和歌山バス株式会社(本社・和歌山市)のバス停留所を1つの単位として番組制作をすることとなりました。
 なお、映像制作において身近な街の音を挿入するため、バス車内放送やクラクション等の音源提供をしていただきました。また、エフエム和歌山の番組では協賛として、和歌山の中心市街地周辺を自由に乗り降りできる企画切符の無償提供を受けています。

 ここで私どもが制作、各地域メディアが配給する番組(映像・ラジオ・新聞)の制作意図と配給日時についてご説明いたします。制作意図は前述の通りでございますが、制作の対象となる地域は、和歌山市が中心市街地と規定した約186ヘクタールとし、区域内にある31のバス停留所を扱います。番組は配給先との申し合わせによる完全連動型の企画です。映像・ラジオ・新聞が共同でほぼ同時(24時間以内)に配給します。
 2009年4月〜5月、区域内全てを徒歩で取材し、スチル撮影、ロケハンを行いました。詳細は5月14日付け和歌山新報にて掲載されています(記事はこちら)。

 撮影は2009年6月に短期の撮影、8月〜9月に長期撮影を行います。映像は地上約60センチの高さからの撮影です。大人になったいま、物心が付いたころの視点で街をご覧いただき、変わった点、変わっていない点を察してもらい、街の魅力に気づきを持っていただこうという仕掛けです。
 映像には和歌山市のシンボルでもある和歌山城にちなんだ楽曲、鞠と殿様を現代風に編曲した音楽をバックミュージックとしますが、字幕や音声での説明はありません。私どもは風景という事実をありのまま撮影し配給します。それは客観的に見たものといえるでしょう。しかし、視聴者には主観的にご覧いただきたい。過去の記憶を思い起こしながら自分にしか知り得ない記憶や思い出をもとに、感情移入しながら十人十色の視点でご覧いただきたい。そのためには、字幕や音声などの情報を一切排除し、動画とバックミュージック、効果音のみで表現する必要がありました。
 なお、字幕で行うべき施設名や地点名の情報提供は、Googleマップで行います。撮影した動画のキャプチャ、もしくはスチル撮影したデータを全て地図上にマッピングいたします。 映像はハイビジョン撮影で広角レンズを使用し、より鮮明に広い視野でご覧いただけるよう努めております。 映像公開は毎週土曜日の正午より、当ホームページおよびYouTubeよりご覧いただけます。
 1番組づつ31週に渡り随時公開して参ります。 詳細のスケジュールはこちらからご確認ください。

 ラジオ放送は、毎週土曜日の25時(日曜日午前1時)より30分間の放送です。番組名は「おはなしのまち、わかやま さんぽみち」です。
 当番組は制作統括者の次田尚弘が司会者(案内人)として出演します。パーソナリティ番組として街の紹介をするのではなく、番組内で朗読を行います。朗読するものは、和歌山を題材とした童話で、次田が執筆したものです。
 童話は東京本社に勤めていたサラリーマン(猫のももじろう)が、転勤で和歌山支社へやって来たという設定です。彼の同僚や街で出会った動物たちが、和歌山の街について、ももじろうに紹介していくというものです。また、ももじろうは、感じたことを、心の中でそっとつぶやきます。
 和歌山市民である私たちにとって、日常の風景は特別なものではないかもしれません。しかし、私たちが気づかない街の魅力、もしくは欠点を素直に伝えてくれるのが、 ももじろうのようなよそ者の視点であると考えます。
 当番組では、1度に2つのお話を朗読します。ゆっくりとした朗読に、鞠と殿様の楽曲を載せ、目をつむって、記憶にある風景を思い起こしながら、主人公とともに街を散策していただこうという仕掛けです。
 なお、朗読の間にはコブクロの楽曲を流します。コブクロの所属事務所は和歌山県和歌山市に在り、コブクロは和歌山市を第二の故郷とさえいうほどです。毎年、和歌山市内で「コブクロファンフェスタ」が開かれ全国から多くのファンが集まります。羽田空港からJAL5296便というチャーター機が関西空港へ就航する程の人気です。和歌山市にとって、コブクロは地域資源かもしれません。コブクロファンが多い和歌山市にもっとコブクロ色を浸透させることが、和歌山市をさらに魅力的な街にできるのはないでしょうか。
 当番組には、和歌山市とその周辺で路線バス事業を行う、南海電鉄グループ和歌山バスが特別協賛します。毎月抽選でリスナーの方々に和歌山の中心市街地周辺を自由に乗り降りできる企画切符(城まち1日周遊切符)をプレゼントいたします。切符を使い中心市街地を散策してもらいたいと考えます。また、和歌山市フィルムコミッションより情報提供を、和歌山市まちづくり推進課より取材調整でご協力いただいております。
 放送は、毎週土曜日25時(日曜日午前1時)より30分間です。コブクロの曲のリクエストを募集しています。リクエストはこちら(エフエム和歌山)から。詳細スケジュールもこちらから。

 新聞紙面では連載記事という形態で、株式会社南北様がスポンサーとなり紙面をご提供いただいております。記事名称は「さんぽみち」で、毎週日曜日付の和歌山新報第1面に掲載されます。 紙面では映像およびラジオで採用された地点の中から1地点を選び、その地点の写真1点と、その地点を訪れたラジオの主人公・ももじろうが散策した感想をフィロソフィーの形式で記述しています。なお、ロゴマーク等は和歌山市城北地区出身で帝京大学在学中の八尾早紀がデザインしています。 記事はこちら(和歌山新報)よりご覧いただけます。

主催:慶應義塾大学飯盛義徳研究室
後援:和歌山市
特別協賛:南海電鉄グループ和歌山バス株式会社
協賛:エフエム和歌山 株式会社和歌山新報社

平成21年7月1日〜平成22年3月31日(予定)