
カフェプロジェクトBicerin調査班 活動報告
こんにちは!カフェプロジェクトBicerin調査班です。
私たちは2022年10月7日から10月29日にかけて、都市部の百貨店などに出店されている高級カフェのBicerin様にご協力いただき、サードプレイスに関する調査・研究を実施しました。
今回は、博多・有楽町・名古屋・梅田・新宿の5店舗に2日間密着し、お客様の年代や雰囲気、利用目的などを調査。その上で、先行論文から抽出したサードプレイスの要素にどれほど当てはまっているのか考察し、どのようなサードプレイスとしての機能が見られたのかを分析しました。
そうしたことを通じて、Bicerinが持つサードプレイスの要素を洗い出すとともに、都市部のカフェがサードプレイスとなるために必要な要素を明らかにすることを目指しました。

調査第一弾(10/7~10/8)は、博多店でした!
朝7:35に羽田空港を飛び立ち、9:35に福岡空港に到着。予定通り11:00から調査を開始しました。1日目は平日ということもあり落ち着いた雰囲気でしたが、翌日の土曜日には前日の倍以上のお客様が訪れ、お見合いでの利用も見られました。また、博多阪急の婦人服のフロアに入っているためか女性の利用が圧倒的に多く、食事目的での利用も他店より多い結果となりました。

調査2店舗目となる有楽町店には、10月14日~10月15日に訪れました。行ってみて驚いたのは、アクセスの良さと雰囲気の違いです。JR有楽町駅と東京メトロ銀座駅を結ぶ地下通路の途中に面し、外から直接入店できる抜群の立地でした。また、他店舗と異なり壁などがないオープンな形の設えになっており、高級カフェでありながらも入りやすい雰囲気となっていました。
そうした利用しやすさや造り、また阪急メンズ東京に入っているためか、サラリーマンのお客様が仕事帰りに1人で休憩する様子が見受けられました。

有楽町店の調査の翌日(10/16)から、名古屋店の調査を実施しました!
名古屋店では、店長さんがお客様に積極的に話しかけたり、喫茶店文化を反映して新聞や雑誌が置かれていたりとお客様や地域に密着した運営がなされている印象を受けました。
調査中には、「東京からわざわざ来てくれているのだから」とお客様にケーキをご馳走になったり、直接お話を伺ったりする場面も。現場で実践的な学びを得て、非常に濃い調査となりました。

10月21日〜10月22日にかけて訪れた梅田店は、地元で大人気のお店で、入店を待つ列ができるほど多くのお客様が来店。お客様の様子を観察して記録するのが大変でしたが、たくさんのデータを収集することができました。客層としては、阪急梅田の女性をターゲットにしたフロアに入っているためか、女性の利用が多く見られました(来店客の83.4%)。また、キティーちゃんのぬいぐるみが置かれているなど、遊び心に満ちた雰囲気も感じました。

調査の最後となった新宿店では、2人以上で利用するお客様が多く、お茶をしながら会話を楽しむ様子が見られました。他方で、食事をするお客様も他店と比較して多く、多様な利用目的のお客様が訪れていました。また、平均滞在時間が65分と5店舗の中で最も長かったことから、お客様にとってより居心地の良い場所となっていることが考えられます。
常連と思われるお客様と店員さんが話をする様子も見られ、都市部における憩い・交流型のサードプレイスを実感する場面もありました。
今回の調査・分析を通じて、全店舗で共通して、「長年人々に愛され続けている商品で、人々を惹きつけている」、「都心の駅近百貨店という好立地で立ち寄りやすい店舗設計になっている」、「幅広い商品で老若男女がメニュー選びに困らない」、「高級感と清潔感の溢れる内装で居心地の良さを創り出している」という4つの項目が当てはまり、サードプレイスの骨格となるような基本的要素を満たしていることがわかりました。また、「お客様の来店頻度やよく頼む商品などを覚えている店員さんがいる」、「お客様に積極的に話しかける店員さんがいる」という2つのポイントに該当する名古屋店や新宿店は、サードプレイスの要素をより多く満たしていました。
そうした結果を踏まえて、都市部のカフェがサードプレイスになるために必要な要素として、「人々に愛され続ける商品展開」、「立ち寄りやすい好立地であること」、「居心地の良い空間」、「店員からのコミュニケーション」の4つが重要であると考えられました。
今回の研究成果を、都市部の地域づくりに取り組んでいる大井町元気プロジェクトや他のプロジェクトにも活かしていければと思います。
Bicerinの従業員の皆様やお客様を始めとする調査活動にご協力いただいた方々に、心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました!