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ファミリービジネスプロジェクト2024年1月の勉強会の様子

ファミリービジネスプロジェクト2024年1月活動報告 第1話「税理士の観点で考える、【ファミリービジネスに求められる事業承継の在り方】」

こんにちは、FB(ファミリービジネスあるいは同族企業)プロジェクトの定例勉強会の報告です!

2024年1月10日(水)、藤沢市に拠点を持つTAO税理士事務所の代表社員であり、公認会計士・税理士の土屋元人さんと、非営利株式会社daidaiのファミリーファシリテーターである関清一郎さんと関尚子さんに進行役をお願いし、税理士の観点で考える「事業承継」についてお話を伺いました。
土屋元人さんは、大学卒業後に会計と税務のキャリアを歩み、最終的にはお父様が創業した企業を引き継ぎ、代表を務めています。土屋さんは、地域内外の様々な事業承継案件における税務アドバイザリーも手がけています。その経歴から、ファミリービジネスにおける非常に興味深いお話を聞くことができました。

ファミリービジネスプロジェクト2024年1月の勉強会の様子

勉強会の初頭には、TAO税理士事務所が事業承継の際にどのような税務サービスをお客さんに提供しているのかについてお話を伺いました。
これまで事業承継のアプローチでは、ファミリービジネスの事業承継を単なるコスト削減と株価支分の再分配で済ませることが一般的でしたが、土屋さんのお話から、意思決定権を持つ人たちと事業に直接関わる人たちの利害を税理士の観点で整理することによって、ファミリービジネス事業承継に新たな価値を与えていることが理解できました。

ファミリービジネスプロジェクト2024年1月の勉強会の様子

また、いくつかのあり得るケーススタディをご紹介いただき、より身近な感覚で事業承継の税務アドバイザリーを用いて事業承継を済ませたファミリービジネスの存続事情についてお話を伺いました。
相続税の最高税率は、日本では55%となっており、他国と比較しても例外的なほど高い水準にあります。このため、日本の企業は相続において克服すべき難関が大きいと言えます。相続の際、自社株の評価基準として株価算定が採用されており、株価が高ければ企業にとっては利益となりますが、同時に後継者にとっては相当な負担となる可能性があります。この負担と利益のギャップを縮めていくことが重要であるとの認識を深めることができました。
また、創業者の家系の後継者が事業の引き続きを担う際には、家族としての立場から創業者が事業に込めた理念を円滑に受け継ぐことが可能であるという背景が、家内で承継を行う大きな要因となります。ただし、理念の理解だけでなく、後継者は創業者とは異なる個性や経験を有しているため、引き続いた後の経営体制についても検討が必要です。
創業者の理念を理解することは重要ですが、その理念を成功に結びつけるためには、後継者が自らの視点やアイデンティティを加え、柔軟に対応していくことも必要となります。
そのため、後継者は創業者の理念に寄り添うだけでなく、事業に関与する経営者(および家族)、株主、従業員が協力し合いながら調和的な環境を築いていけるよう、税理士の税務的な知見を借りて利害関係を整備することが求められると議論を行いました。

ファミリービジネスプロジェクト2024年1月の勉強会の様子

今度は、ファミリービジネスの承継において、税理士が担当する利害関係の整理について学ばせていただきました。お忙しい中、時間を割いていただいた土屋さん、誠にありがとうございました。
勉強会以外にも、TAO税理士事務所のように地域で活躍されている企業や、社内外の利害関係を整えながら事業承継の事例を今後も紹介していきたいと考えます!
ファミリービジネス存続の鍵となる事業承継への探求はまだ続きますので、今後の活動にもぜひご期待ください!