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鷹栖町元気プロジェクトの2024年2月のフィールドワークの様子

鷹栖町元気プロジェクト 2024年2月フィールドワーク(その1)

こんにちは。飯盛義徳研究室(以下、飯盛研)、鷹栖町元気プロジェクトです。
今回は、2月2日から2月8日にかけて行われたフィールドワークについてのご報告です。
まずは、2月4日(日)に開催された『たかす誕生まつり』までの活動についてです。

その2の記事はこちら、その3の記事はこちらからご覧いただけます。

2月2日(1日目)

たかす誕生まつり準備

たかす誕生まつりを明日に控え、飯盛研鷹栖町元気プロジェクトのメンバーが鷹栖入りしました。
まず驚いたのが鷹栖町の寒さです。昨年の同じ時期にも訪れているため経験したことがあるはずですが、その日の気温はマイナス24度と、関東との気温差20度以上の環境に改めて驚きました。
初日は、鷹栖地区の誕生を記念する『たかす誕生まつり』の準備を行いました。『たかす誕生まつり』は今年で132回目。地域の住民の方が集まり、多くの交流が盛んになるお祭りに参加したいと思い、昨年から参加させていただいています。
今年は、雪の降る北海道だからこそ味わえる雪遊びで子供たちに楽しんでもらいたいという想いから飯盛研主催で雪の遊び場を設置することにしました。
私たち飯盛研以外に、役場の方や旭川市立大学黒川ゼミ、鷹栖高校ボランティア部・美術部の先生や学生さんに協力を仰ぎ、かまくら・すべり台づくりに取り掛かりました。

鷹栖町元気プロジェクトの2024年2月のフィールドワークの様子

かまくら・すべり台づくりでは、「寒さ」、「重さ」、「雪質」という3つの課題に悩みました。
まず、寒さ。マイナス20度前後の気温の中で作業することは思った以上に大変でした。
一定の時間ごとに屋内に入って体を温めることを繰り返し、なんとか寒さを乗り越えながら作業しました。
次に、重さ。作業を続けていると、雪の重さが腕や肩、腰に負担をかけてきます。雪の重みがずっしりとスコップにのっていて、作業が進むにつれ、スコップを持つ腕が思うように動かせなくなってきました。
最後に、雪質。北海道の雪は、気温が低く水分量が少ないため、さらさらとしたパウダースノー。そのため、2mほどの高さに積もる雪の上を歩こうとすると、1mは足が沈んでしまうほどでした。さらさらとした雪でのかまくら・すべり台づくりは強度が必要でかなり悩んだのですが、役場の方や旭川市立大学の知恵をお借りし、雪の上から「水をかけて硬く固める」ことで無事完成。
初日は18時で作業を終え、水をかけたすべり台とかまくらが固まることを願いつつ解散しました。

鷹栖町元気プロジェクトの2024年2月のフィールドワークの様子

2月3日(2日目)

たかす誕生まつり前夜祭

2日目はたかす誕生まつり前夜祭。前夜祭では、町内外から寄せられた1200個の紙袋ランタンと蝋燭が灯されました。前夜祭のランタン点灯式が始まるのは夕方からのため、それまでは前日に引き続き準備を行いました。
前日に作ったかまくらとすべり台は見事に固まっていたため、絵の具での色付けや安全点検などの最終仕上げを行いました。
また、たかす誕生まつりの紙袋ランタンの設営のお手伝いも行いました。
みんなで雪を集めてランタンを飾る雛壇を作り、紙袋ランタンを一つひとつ並べました。事前に研究室のメンバー全員で作った紙袋ランタンを並べ、飯盛研の展示コーナーを設けてもらいました。

鷹栖町元気プロジェクトの2024年2月のフィールドワークの様子

いよいよたかす誕生まつりが始まり、町長の挨拶、飯盛研からはプロジェクトリーダー小林の挨拶をし、紙袋ランタン点灯式に移りました。
点灯式では、花火や鷹栖黎明(れいめい)太鼓による演奏が行われ、会場全体が一体となって盛り上がりました。
鷹栖町の雪と夜の中に紙袋ランタンが綺麗に映え、来場者の多くがカメラを構え楽しんでいました。

鷹栖町元気プロジェクトの2024年2月のフィールドワークの様子

ひとしきり紙袋ランタンを楽しんだ子どもたちが次に目指すのは私たちが作ったすべり台とかまくらでした。特に、すべり台は好評で、子どもたちがひっきりなしに滑っていました。20時になり、たかす誕生まつりの前夜祭が無事終わりました。
年に1回、数時間しか見ることができないこの景色を惜しみつつ紙袋ランタンを片付けました。

鷹栖町元気プロジェクトの2024年2月のフィールドワークの様子

2月4日(3日目)

たかす誕生まつり本祭

この日はたかす誕生まつり本祭。地域で活躍するサークル活動や鷹栖地区内の小中学生の屋内発表が行われました。地域の方々の合唱や吹奏楽の中で、飯盛研からも竹本と加藤の2人も出演しました。

鷹栖町元気プロジェクトの2024年2月のフィールドワークの様子

今回行った試みは、伝統芸能を生み出すために鷹の舞を作るといったものです。鷹栖の地名の由来は以下の通りです。「鷹栖町が未開の地だった頃、トンビをはじめ、ハイタカやオオタカなどの大きな鳥が生息し、大空に輪を描いて舞っていたといわれています。その光景を目の当たりにした人らが「大きな鳥(鷹)の棲むところ(巣)」を意味するアイヌ語「チカップニ」と呼ぶようになったといいます。それが意訳され、「鷹栖」となりました。」出典:https://www.town.takasu.hokkaido.jp

鷹栖町元気プロジェクトの2024年2月のフィールドワークの様子

このような背景がありながらも、鷹栖地区には伝統芸能と呼べるものないのが勿体無いと感じ、鷹栖に鷹の舞を創ろうと試行錯誤をしました。ミュージカルのライオンキングに登場する小道具、日本のまつりの獅子舞、カラスよけの鷹の凧を参考に鷹の舞を創りました。人前での披露が初ということもあり、満足のいく出来ではありませんでしたが、観ていただいた町民の方からは「久しぶりに感動した」「どうやって思いついたのか」「迫力がすごかった」などお褒めの言葉をいただきました。
次の機会には、太鼓だけでなく笛もつけてひとつのストーリーにして披露したいと思います。

来年もたかす誕生まつりで、新たな企画に取り組みたいと思っていますので、ぜひよろしくお願いします。
次回の活動報告もお楽しみに!